秋になるとスーパーや魚屋さんで見かける「戻り鰹」。
同じ鰹でも春に食べる「初鰹」とは、脂ののりや味わいがまるで別物です。
この記事では、戻り鰹の旬や初鰹との違いやおいしい戻り鰹の見分け方まで、現役漁師の海野が解説していきます。

旬の鰹を、ぜひご家庭でも味わってみてください。
そもそも戻り鰹って?初鰹との違いを解説


秋の味覚として人気の高い「戻り鰹(もどりがつお)」。
春から夏にかけて獲れる「初鰹(はつがつお)」とどう違うの?と気になったことはありませんか?
同じカツオでも、季節によって味わいや脂ののり方が大きく変わるのがこの魚の面白いところ。
ここでは、戻り鰹と初鰹の違いや特徴について、やさしく解説していきます。
戻り鰹と初鰹の一番の違いは「脂ののり」


カツオは回遊魚。
季節によって身の質が大きく変わります。
両者の一番大きな違いは、なんといっても「脂ののり方」。
初鰹はさっぱりとした赤身で、爽やかに食べられるのが魅力です。
一方で、戻り鰹は北の海でしっかりと栄養を蓄え、脂がたっぷりとのった濃厚な味わいに変わります。
口の中でとろけるような旨みは、まさに秋ならではの贅沢。



季節ごとに味が違うのも、カツオの奥深さを感じられるポイントですね。
季節ごとに変わる「鰹の旅路」


「戻り鰹」という名前は、春に南から北上したカツオが秋になると再び南下し、「戻ってくること」に由来しています。
カツオの呼び名と季節の違い
【初鰹】
- 春から初夏にかけて
- 黒潮に乗って北上するカツオ
- 脂が少なく、さっぱりした味わい
【戻り鰹】
- 秋に南下してくるカツオ
- 北の海で栄養をたっぷり蓄えて戻ってくる
- 脂がのって濃厚な味わい
春から初夏にかけて黒潮に乗って北上するものは「初鰹」と呼ぶのに対し、秋に南への帰り道で脂を蓄えたものが「戻り鰹」です。
つまり同じカツオでも回遊の時期によって呼び名が変わり、味わいもまったく異なります。



戻り鰹はその名の通り、季節の巡りとともに帰ってくる「旬の便り」として親しまれてきた特別な存在なのです。
刺身か?たたきか?おすすめの食べ方の違い


初鰹と戻り鰹では、おすすめの食べ方も変わってきます。
初鰹は脂が少なくさっぱりしているため、ポン酢や生姜醤油でいただく「刺身」がおすすめ。
みずみずしさと爽快な味わいを存分に楽しめます。
一方、脂がのった戻り鰹は「たたき」が定番。
表面を炙ることで香ばしさが加わり、トロのような濃厚さと爽やかな香りのバランスが絶妙になります。
特に秋の戻り鰹は、にんにくや薬味をたっぷりのせて食べると格別。



旬を迎えた戻り鰹は、まさに食欲の秋にぴったりの一品です。
戻り鰹の旬はいつ?産地ごとの違いもチェック


戻り鰹の旬は、地域ごとに少しずつ時期が変わるのが特徴です。
海の流れや水温によって北から南へ移動するタイミングがずれるため、同じ鰹でも旬が変わっていきます。
全国的な旬や、産地ごとの食べ頃をチェックしていきましょう!
全国的な旬は9〜11月


カツオは春から初夏にかけて黒潮に乗って北上し、秋になると南へ戻ります。
この南下の時期に水温の低い海でしっかりと脂を蓄えるため、戻り鰹は9月から11月頃にかけてもっとも美味しい季節を迎えます。
特に10月前後は身が厚く、脂の甘みがピークに達する時期。
スーパーや鮮魚店の売り場でも、身が赤黒くてツヤのある戻り鰹を見かけやすくなるので、まさに「食欲の秋」を代表する魚といえます。
産地別の食べ頃(宮城・高知・静岡など)


カツオは日本近海を回遊するため、地域ごとに「戻り鰹」が味わえる時期が少しずつ違います。
例えば宮城・三陸沖では、夏を越して脂がのり始める9月から10月が最盛期。
脂がしっかりのっているので、刺身や漬けで濃厚な味を楽しめます。
藁焼きで有名な高知では、太平洋を回って戻ってきた鰹が10月頃から港を賑わせてきます。
静岡県の焼津や御前崎でも秋は水揚げが増え、特に10月は脂がのった「とろカツオ」が手に入るチャンス。



産地ごとに違う旬を巡るのも楽しみのひとつです。
天候や海流で変わる旬のずれ


戻り鰹の旬は「9〜11月」が目安ですが、実は毎年ぴたりと同じ時期に来るわけではありません。
カツオは回遊魚なので、黒潮の流れが速ければ南下も早まり、逆に海水温が高い年は北に留まる時間が長くなることも。
台風の影響で漁がしにくい年は、入荷が遅れることもあります。



漁師仲間の間でも「今年は遅れてるな」「脂がのってきたぞ」と季節の話題に。
だからこそ、現地の漁協や通販サイトでその年の水揚げ情報をチェックすると、まさに旬の一番美味しい時期を逃さず楽しめますよ。
失敗しない!おいしい戻り鰹の選び方


戻り鰹は脂がのって旨みたっぷりの秋の味覚ですが、選び方を間違えるとせっかくの美味しさが半減してしまいます。
実はスーパーや魚屋で少しチェックするだけで、鮮度や味の良し悪しがわかるんです。
今日からあなたも「カツオを見る目」を身につけてみましょう。
目の輝きを見る|濁っていたら要注意


まず注目したいのが「目」。
鮮度の良いカツオは、黒目が澄んでいてキラリと輝きがあります。
逆に白く濁っていたり、乾いて曇っているものは時間が経っている証拠。
目はごまかせない部分なので、鮮魚コーナーで一番わかりやすいチェックポイントです。
見た瞬間に「生き生きしてる」と感じるかどうかが、美味しいカツオを見分ける第一歩ですよ。



丸ごと一本買うこと滅多にないと思いますが、お店では捌く前のカツオが置かれていることもあるので、要チェックです!
身のハリと色つや|赤みが鮮やかで弾力があるか


次に大事なのは身の状態。
切り身で売られている場合は、赤身が鮮やかで水っぽくないものを選びましょう。
鮮度が落ちると色が黒ずんでしまったり、ドリップ(赤い汁)が出てきて旨みも逃げてしまいます。
また、柵で売られている場合、触れる機会があれば身に弾力があるかもチェックポイント。
プリッとした張りがあるカツオは、食感も良く濃い味わいが期待できます。
血合いの鮮やかさ|黒ずんでいないかチェック


カツオの身の中央にある「血合い」の部分も要チェックです。
鮮度の良いカツオは、この血合いがワインレッド色をしています。
時間が経つにつれて、ここが茶色や黒っぽく変色し、味も落ちてしまいます。
血合いは鮮度がダイレクトに表れる部分なので、スーパーでパックを選ぶ際には必ず見てみましょう。
鮮やかな血合いを選べば、味も香りも段違いです。
今夜の食卓に秋の海をお届け!戻り鰹をお取り寄せ


秋の海で脂をたっぷり蓄えた戻り鰹。
その濃厚な旨みを、自宅でも気軽に楽しめるのが通販の魅力です。
わざわざ漁港まで行かなくても、漁師さんや産地から直送されるので鮮度も抜群。
「今日は鰹で晩酌したい!」と思った日にも、まるで海辺の町で食べているかのような贅沢なひとときを味わえます。
高知・池澤鮮魚の一本釣り戻り鰹のとろカツオ


高知・土佐久礼の老舗「池澤鮮魚」がお届けする、秋の味覚・戻り鰹の刺身セット。
一本釣りで釣り上げ、活きたまま瞬間冷凍された鰹を丁寧に捌き、3人前の食べ切りサイズでご家庭に直送します。
ポン酢や薬味でさっぱり、藁焼き風に炙って香ばしく。
食卓で高知の漁港の味をそのまま楽しめます。
旬の海の贅沢を、ぜひ今夜の一皿にどうぞ。
本場・高知の伝統技!豪快に焼き上げた鰹のたたき


一本釣り戻り鰹の藁焼きたたき。
漁港に水揚げされた鮮度抜群の鰹を、香り高い藁で豪快に焼き上げ、一節まるごとお届けします。
濃厚な脂の旨みと、藁焼き特有のスモーキーな香ばしさが絶妙に調和し、食卓で本場の味をそのまま再現。
誕生日や大切な方へのギフトにも喜ばれる、高知の海の贅沢をぜひご堪能ください。
まとめ:旬の戻り鰹で秋の食卓を贅沢に


戻り鰹は、春の初鰹とは違う脂の濃厚な旨みが楽しめる秋だけの特別な味覚です。
産地によって旬の時期は少しずつ異なりますが、9〜11月が食べ頃の目安。
選び方のポイントを押さえれば、スーパーや通販でも美味しい一品に出会えます。



旬を知り、良い鰹を選んで食卓に迎え、秋の海の恵みを存分に味わってください。