
朝マズメ・夕マズメってよく聞くけど、結局いつのこと?
そんな疑問を持ったことはありませんか?
釣りの世界では「マズメ」という時間帯があり、魚が釣れやすいゴールデンタイムとして知られています。
とくに朝マズメと夕マズメは、初心者でも大物を狙えるチャンスがある貴重な時間帯。
でも、「なぜその時間が釣れるのか?」「具体的に何時ごろが狙い目なのか?」は、あまり知られていないかもしれません。
この記事では、釣り好き現役漁師の海野さんが、朝マズメ・夕マズメの意味や釣れる理由、そしておすすめの時間帯や狙い方まで、初心者にもわかりやすく解説します。



これを読めば、「なんとなくマズメ狙い」から一歩進んだ釣果アップが狙えるはずです!
朝マズメ・夕マズメとは?釣り用語としての意味


釣りの本やSNSでよく見かける「朝マズメ」「夕マズメ」という言葉。
じつはこれ、魚がよく釣れる「勝負の時間帯」を表す、釣りならではの用語なんです。
「マズメ」って何?
「マズメ」とは、明け方や夕方など、空の明るさが変わる時間帯のこと。
もともとは「間詰め(まづめ)」と書き、「昼と夜の境目」を意味します。
釣りではこの時間帯に魚の活性が高まり、ルアーや餌への反応がよくなるため、釣果を上げるチャンスとされています。
用語 | 時間帯の目安 |
---|---|
朝マズメ | 日の出前30分〜日の出直後まで |
夕マズメ | 日没30分前〜日没直後まで |



釣り初心者でもこの時間を狙えば、思わぬ大物と出会えることも!
「薄明(はくめい)」との違い
「マズメ」と似た言葉に「薄明(はくめい)」という科学的な用語があります。
- 薄明
-
天文学や気象で使われる科学用語。
日の出・日の入り前後の空がうっすら明るい時間帯を指します。
- マズメ
-
釣り人が使う釣れるタイミングの俗語。
薄明の時間帯の中でも、魚が活性化してよく釣れる時間のこと。



つまり「薄明」=自然現象、「マズメ」=釣れる時間という位置づけです。
朝マズメ・夕マズメは何時頃?実際の時間帯の目安





朝マズメ・夕マズメって、実際には何時くらいなの?
実際の時間帯は季節や地域によって異なりますが、基本的には「日の出・日の入りの前後1時間以内」がマズメ時の目安です。
季節や地域で変わる「日の出・日の入り」
日本は南北に長く、さらに季節によっても太陽の動きは大きく変わります。
たとえば、東京の場合でも、夏は朝4時半ごろに日の出、冬は7時前後と、時間帯にかなり差があります。
【目安表】春夏秋冬の朝マズメ・夕マズメ(東京基準)
季節 | 朝マズメの目安 | 夕マズメの目安 |
---|---|---|
春(3〜5月) | 4:30〜6:00 | 17:30〜19:00 |
夏(6〜8月) | 4:00〜5:30 | 18:00〜19:30 |
秋(9〜11月) | 4:30〜6:00 | 17:00〜18:30 |
冬(12〜2月) | 6:00〜7:00 | 16:00〜17:30 |
【豆知識】「潮見表(タイドグラフ)」も合わせてチェックしよう
釣りに行く前にチェックしておきたいのが「潮見表(タイドグラフ)」。
これは、海の満ち引き(潮の動き)をグラフにしたもので、潮のタイミングを知ることで釣果アップが狙えます。
◾️ 潮見表(タイドグラフ)ってどんなグラフ?
潮見表(タイドグラフ)とは、海の満ち引き(潮位の変化)を時間ごとにグラフで表したものです。
釣りにおいては、潮の動く時間帯を予測するための重要な目安になります。
- 高くなっている部分(山)が「満潮」(海面が一番高い)
- 低くなっている部分(谷)が「干潮」(海面が一番低い)
グラフの横軸は時間、縦軸は潮位(海面の高さ)です。



1日に満潮・干潮がそれぞれ2回ずつあるのが基本です。



グラフがどうなったら釣れやすいんですか??
- 潮止まり(満潮・干潮)のあと2時間くらい
- さらに朝マズメ・夕マズメと重なると「爆釣チャンス」
◾️ 潮の「名前」とその違い
潮の動きの大きさで呼び名が変わります。
潮の名前 | 特徴 | 釣りやすさ |
---|---|---|
大潮 | 潮の動きが大きい | よく釣れる |
中潮 | そこそこ動く | 釣りやすい |
小潮 | あまり動かない | やや不利 |
長潮・若潮 | 動きが少ない | 難しい |



「干潮」と「満潮」も潮の名前じゃないんですか??
「満潮・干潮」は潮の高さを表す言葉で、「満潮=魚が岸に寄りやすい」「干潮=魚が沖に離れがち」といった特徴があります。
ただし釣りやすいのはその前後の潮が動き出す時間帯(上げ・下げの始まり)です。
とくに「上げ潮(干潮→満潮)」に入っていくタイミングは魚の活性が上がりやすいです。
今は便利な時代。
スマホアプリや釣りサイトで、地域別のタイドグラフがすぐ見られます。



ぼくは釣りアプリ「タイドグラフBI」「潮汐なび」などを使ってます!
なぜマズメ時に魚が釣れやすいのか?その理由


朝マズメ・夕マズメは、魚たちにとってまさに「ごはんタイム」!
この時間帯に魚がよく釣れるのは、自然のリズムと魚の生態がうまく噛み合っているからです。
主に5つの理由があげられます。
- 食物連鎖の活性化
- 水温の変化
- 光の環境
- プレッシャーが少ない
- 潮との相乗効果



詳しく解説しますね。
1. 水中の食物連鎖が一気に動き出す
朝の光で植物プランクトンが水面近くに浮上すると、それを食べる小魚たちが集まり始めます。
そして、それらを狙う中型・大型の魚たちも活性化。
夕方には今度は夜行性の動物プランクトンが活動を始め、同じように食物連鎖が動き出します。
こうしてマズメ時は、水中全体が「ごはんタイム」となり、魚がエサを求めて積極的に動く時間帯になるのです。
2. 水温の変化が魚を動かす
朝は気温とともに水温もゆっくりと上昇します。
水温が少し上がるだけで魚の代謝が活発になり、エサを求める行動が増えます。
一方、夕方は日中の暑さが少し落ち着き、水温が魚にとって快適な状態に。
これもまた、魚が活動しやすくなる要因のひとつです。
3. 魚にとってちょうどいい薄明かり
マズメ時は、暗すぎず明るすぎない絶妙な明るさ。
魚にとってはエサが見えやすく、自分の姿は敵から見えにくいという理想的な光環境です。
この時間帯は視界のバランスが良いため、魚が安心してエサを追いかけやすくなります。
4. 警戒心が薄れる「静かな時間」
マズメ時は、人間の活動が始まる前や終わりかけのタイミングでもあります。
釣り場に人が少ない時間帯は、魚にとってストレスが少なく、警戒心も緩みがち。
そのぶん、ルアーやエサにも反応しやすくなります。
5. 潮の動きと重なれば「爆釣タイム」に
特に海釣りでは、潮の満ち引きも大事な要素。
潮が動き始める時間帯とマズメ時が重なると、エサが流れやすく、魚の回遊も活発になります。
この相乗効果によって、釣果アップが狙えるベストタイミングになるのです。
朝マズメと夕マズメはどちらが釣れる?違いと特徴を比較


朝マズメと夕マズメは、どちらも魚の活性が高まる「釣りのゴールデンタイム」です。
しかし、魚の生活リズム(昼行性・夜行性)によって、釣れやすい時間帯は異なります。
狙う魚種や目的(数釣り・大型狙い)に応じて、朝と夕を使い分けるのが釣果アップのコツです。
朝マズメに向いている魚


朝マズメは、昼行性の魚が活動を始める時間帯。
夜行性のエサ(カニ・エビなど)が動きにくくなり、捕食のチャンスが増えるため、数釣りに向いているのが特徴です。
朝マズメに釣れやすい魚
- シーバス(夜明けに河口や堤防で活発化)
- ヒラメ(浅場に寄り、ベイトを追う)
- 青物(ブリ・カンパチ・サゴシなどが回遊)
- キス(朝イチは警戒心が薄く数釣りしやすい)
- イナダ・サバ・カツオなど(朝に群れで回遊)
夕マズメに向いている魚


夕マズメは、夜行性の魚や警戒心の強い魚が活性化する時間帯。
日没直前からの薄暗い時間に大型魚が岸近くに寄りやすく、引きの強い魚を狙えるのが特徴です。
夕マズメに釣れやすい魚
- アジ(夜間も活発。サビキで数釣り)
- メバル(常夜灯周辺で夜にかけて好活性)
- シーバス(大型狙いは夕方〜夜が好機)
- チヌ(警戒心が薄れ、浅場に出る)
- タチウオ・カマス・アナゴ・イカ(完全夜行性〜夕方からが本番)
魚種ごとのおすすめ時間帯一覧表
魚種 | 朝マズメ | 夕マズメ | 備考 |
---|---|---|---|
アジ | 群れの動きと潮の変化次第。 朝夕どちらも数釣り可能。 | ||
メバル | 薄暗い時間〜夜に活性が上がる夜行性。 | ||
シーバス (スズキ) | 両方狙えるが、夕はプレッシャーが少なく大型も釣れやすい。 | ||
カマス | 朝が勝負。 夕も常夜灯まわりなら反応あり | ||
青物 (ブリ・サゴシなど) | 朝マズメの回遊性が高く、ルアーへの反応も良い。 | ||
チヌ (クロダイ) | 夕方に警戒心が薄れて活性化。 | ||
根魚 (カサゴなど) | 夕方以降の岩場まわりが本命。 | ||
ヒラメ | ベイトを追って朝に接岸しやすい。 夕もチャンスあり。 | ||
キス | 朝は数釣り、夕は型狙いに適している。 | ||
タチウオ | 夕マズメに浅場へ。 日没後が狙い目。 | ||
アナゴ | 完全夜行性。 夕方からぶっこみ釣りで活性上昇。 | ||
イカ (アオリ・ヤリなど) | 夕マズメからのエギングが特に有効。 |
朝・夕マズメを使い分ければ、数も型も狙える釣果アップの近道になります。



次に釣りに出かけるときは、魚種と時間帯の相性を意識してみましょう。
朝マズメ・夕マズメでの釣りを成功させるコツ


マズメ時は釣果が上がりやすいゴールデンタイムですが、時間が限られているぶん準備と行動がカギになります。
ここでは、マズメ釣行で失敗しないためのポイントを3つの視点から解説します。
①【装備編】暗い時間帯でも安心なライト・防寒対策
朝マズメや夕マズメの釣りでは、暗さと冷え込みへの対策が釣果にも直結します。
安全で快適な釣行のために、以下の装備を整えておきましょう。
チェックリスト
装備カテゴリ | 主なアイテム | 効果 |
---|---|---|
ライト類 | ヘッドライト・ランタン・発光アイテム | 視界確保・安全対策 |
防寒対策 | ジャケット・重ね着・手袋・帽子・ブーツ | 体温維持・快適性 |
その他便利品 | クーラーボックス・チェア・モバイルバッテリー | 鮮度保持・体力温存・安全 |
暗さと寒さ対策は、釣果だけでなく「安心して釣りに集中できる時間」を守ってくれます。



忘れ物がないよう、前日までにしっかりチェックしておきましょう。



寒さで体力が奪われないよう気をつけてね!無理せず楽しく釣りをしよう!
②【行動編】釣り場入りのタイミングと場所選び


朝マズメ・夕マズメで釣果を上げるためには、タイミングと場所選びが最重要ポイントです。
ポイント | 朝マズメ | 夕マズメ |
---|---|---|
到着目安 | 日の出の30〜45分前 | 日没の30分〜1時間前 |
おすすめの場所 | 浅場・ベイトが集まる静かなエリア | 常夜灯周辺・堤防先端・明暗の境界 |
潮の意識 | 潮が動き始めるタイミングを狙う | 潮流のある場所を中心に攻める |
ポイント確保 | 早めに着いて静かなうちに良ポイント確保 | 夕方の活性上昇を見越して先回りする |
魚の活性×潮の動き×時間帯の掛け算が、マズメ釣り成功のカギ。
◾️ 釣り場入りのタイミング
- 朝マズメは「日の出の30〜45分前」には準備完了が理想
-
早朝は魚の警戒心が薄く、良いポイントを確保しやすい時間。静かな海で集中できます。
- 夕マズメは「日没の30分〜1時間前」からのスタンバイがおすすめ
-
魚が動き出す直前に仕掛けを投げられるよう、早めの到着を。
- 潮の動きも要チェック!
-
潮止まりの前後や、潮が動き出す時間とマズメが重なると「爆釣タイム」に。
場所選びのコツ
- 朝は「ベイトが集まる浅場や静かな海面」
-
小魚やプランクトンが集まる場所に、フィッシュイーターも寄ってきます。
- 夕方は「堤防先端・常夜灯周辺・明暗の境界」
-
大型魚や夜行性の魚が岸近くまで接岸するポイントが狙い目。
- 潮通しの良い場所を選ぶ
-
流れがある場所は酸素量が多く、魚の活性も高まりやすい傾向。
- プレッシャーの少ない時間に釣り場を確保
-
特に朝はライバルも少なく、じっくり釣りに集中できます。



下見や潮見表を活用して、ベストなタイミングを逃さずに釣りを楽しみましょう!
【実践編】おすすめのルアー・仕掛けと使い分け


マズメ時は魚の活性が高く、タイミングが合えばルアーでもエサでもヒット率が高いです。
魚種や時間帯に応じて最適な仕掛けを選びましょう。
朝マズメに効くルアー・仕掛け
種類 | 特徴・使いどころ |
---|---|
トップウォーター (ペンシル・ポッパー) | 静かな水面で波紋と音を出し、広範囲の魚に強アピール。 活性の高い魚を素早く誘える。 |
ミノー (例:サイレントアサシン) | ベイトフィッシュが水面近くにいる時間帯に有効。 朝はケイムラ・シルバー系カラーが◎。 |
シンキングペンシル | 飛距離が出て広範囲を探れる。 明暗がくっきりしている朝に「フラッシュブースト」などが効果的。 |
メタルジグ | 遠投して速い動きで青物にアプローチ。 リアクションバイトを狙いたい時に。 |
夕マズメに効くルアー・仕掛け
種類 | 特徴・使いどころ |
---|---|
バイブレーション・ワーム | 光量が落ちてきた時間帯はシルエットが出やすく、ラトル音や波動で誘えるルアーが有効。 |
チャート・オレンジ・グロー系カラー | 薄暗い視界の中でも目立ちやすく、魚の注意を引く。 夜光(グロー)も効果大。 |
ジグヘッドリグ・サビキ仕掛け | 常夜灯や明暗スポットでは、ゆっくりしたアクションでアジやメバルなどを狙える。 |
色・動きの使い分けのコツ
タイミング | カラー | 動かし方 |
---|---|---|
朝マズメ | ケイムラ・シルバー・パープル・チャート | ナチュラルにじっくり引く。 引き波・バブルでアピール。 |
夕マズメ | チャート・オレンジ・夜光(グロー)・黒系 | ストップ&ゴーや速巻きでリアクションを誘う。 |
朝は明るくなる時間帯の変化を活かして、トップやミノー中心に攻めるのが有効です。
夕方は視認性や音でアピールし、活性の高い魚の「スイッチ」を入れるルアーが鍵。
釣れる魚・場所・水色に応じて「カラー」「動き」「レンジ」を柔軟にローテーションすることが、短い時合いをモノにするコツです。



迷った時は、「トップ・ミノー・ジグ・バイブ・ワーム」の5種と、「チャート・グロー・シルバー」の3色を持っておくと安心です。
釣れない日もある?マズメ時の注意点


「釣れる時間帯」とされるマズメ時でも、必ず釣果が出るとは限りません。
潮や天候、釣り場の状況によっては不発に終わることもあるため、当日の条件に応じた判断と対応が重要です。
潮や天候の影響で釣れないこともある
マズメ時でも釣れない日がある主な理由としては、以下が挙げられます。
- 潮の動きが弱い時間と重なる
-
「潮止まり」にマズメが重なると、魚の活性が下がりやすく、反応が悪くなる傾向があります。
- 天候・水温・風の変化
-
前日との気圧差や水温の急変、風の強まりなども釣果に影響を及ぼします。
- 釣り場の選び方
-
ベイトが少ない、潮通しが悪いなど、ポイントの選択ミスも釣れない要因に。
釣り人の多さにも注意
せっかく良いタイミングで釣り場に入っても、周囲の釣り人が多すぎると魚が警戒して口を使わないことも。
特に人気の堤防やサーフは、マズメ狙いの人で混雑しやすいため、早めに現地入りしてポイントを確保するのがおすすめです。
釣れないときの対応策も大切
「今日は釣れないかも」と感じたときは、以下のような行動で流れを変えられることもあります。
- 潮目や地形変化がある場所に移動する
- ルアーのレンジやアクション、カラーを変えてみる
- 一度休憩を挟んでリズムを立て直す
- 次回に備えて周囲の様子や潮の流れを観察しておく
釣果が出ない時間も、「次につながるヒントを得る時間」として前向きに活用するのが釣り上達の近道です。
まとめ:マズメ時は初心者にこそおすすめのゴールデンタイム


朝マズメ・夕マズメは、魚の活性が上がりやすく、短時間でも釣果が期待できる貴重な時間帯です。
タイミングや場所が合えば、初心者でも思いがけない大物と出会えるチャンスがあります。
もちろん、潮の動きや天候、釣り場の状況によっては思うように釣れない日もありますが、それも釣りの楽しみの一つ。
最初の1匹を釣りたい初心者こそ、ぜひ積極的にマズメ時間の釣りに挑戦してみてください。



経験を積むほど、マズメの価値がきっとわかってくるはずです。